結婚するカップルの数が、50万組を下回り90年ぶりの数値となりました。皆さんの周りでも結婚しない人が多くおられると思います。昭和41年生まれの私は、人生すごろくなどと言って20代で結婚、30代で子供を授かり、40代では家を建て、50代で親の面倒を見て、60代で孫の面倒を見て、70代で死ぬという人生を想像していました。
昭和30年代初期の家庭では、三種の神器といって、冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビがあると良いとされていました。それが昭和30年代後期になると3Cといってカラーテレビ(color TV)、クーラー(cooler)、自家用乗用車(car)がそろうといい家庭とされました。家事の時間で言うと冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器が重要なアイテムだと思います。
私が子供のころは、ご飯を窯で炊く家はありませんでしたが、炊飯器にこびりついたご飯をお茶をかけて剥がして食べたりしていましたし、お風呂を薪で炊いている家はかなりありました。掃除はほうきを使っていたし、氷を入れて冷やす冷蔵庫を使っている家がありました。それらを使うにはかなりの時間がかかることがわかると思います。
昭和30年代では、働きながらの一人暮らしは難しかったとでしょう。ご飯を炊くだけで1~2時間、洗濯に1~2時間、掃除に1~2時間かかり、そんなに家事に時間が必要なために一人では暮らせなかったのです。社会保障も整っていなかったので医者に行くことも時間とコストの面で難しかったと思います。これに子育てが入ってくると、掃除も食事も洗濯も大変な時間がかかります。結婚して専業主婦である女性がいないと暮らしていけませんでした。
令和の現代はどうでしょう。食事はコンビニも外食も24時間体制で揃っています。洗濯は乾燥まで全自動、掃除も全自動掃除機が活躍してくれます。一人暮らしが余裕の世の中となっています。結婚しなくてもハッピーな生活ができそうです。もちろん、結婚してパートナーと暮らすことが幸せな方もおられると思いますが、必要に迫られる結婚に意味が無くなったことも事実です。
また平均寿命が80代で、50歳以上になると平均余命として90歳前後まで生きてしまう社会になっています。介護が必要になっても介護保険などのサービスが使いやすくなってきました。介護保険制度があるので、高齢者の生活を支える役割りを家族が担う必要が無くなってきました。このような世の中となっているので出生率が最低であっても当たり前だと思います。自分たちが今の時代に若者であっても行動は変わらないと思います。
このような時代であるからこそ、子育てをしている家族を支える社会制度が必要だと思います。子供を育てているというだけでその家族を社会が支えてもいいと思います。さらに働きながら給料を稼いでいる方などは本当に頭が下がります。
寿晃整骨院でもなるべく生活を支えられるようにサポートしているつもりですが、全従業員17名中、女性が8名、うち子供を育てている女性が5人います。彼女たちは大変そうです。でも子供との関係をうまくとり、頑張って生活しています。できれば社会のほうでも経済的に支えていただき、豊かな生活を送れるようにサポートしていただければと思っています。
近年は「生産性」というキーワードで仕事で生み出した付加価値を判断しますが、女性が家庭でする家事の生産性が高く評価されることはありません。しかし、子育てをしている家族は「生産力」を生み出しているといえます。生産性は効率の話ですが、生産力が無ければまったくお話になりません。
一人目の子供が生まれたら軽四1台、二人目が生まれたらファミリーカー、三人目が生まれたらワンボックスカーが買えるくらいの補助金があってもいいんじゃないでしょうかね~。もちろん日々の生活と女性の社会進出を支える保育園に手厚いサポートがあってもいいと思います。
寿晃整骨院 総院長 木下広志