私自身の性的自認と性的指向は、一般的なものですが取りあえず置いておきます。さて、昨今、話題となっているLGBT法ですが、6月19日、第211回国会で成立し施行されることとなったようです。この辺り、調べてみても手続きがいつ終わって、いつから法律が施行されるのか私にはよくわかりません。弁護士である巨瀬慧人氏のブログに解りやすい全文が乗っているので読んでみました。
http://blog.livedoor.jp/kosekeito/archives/lgbtq.html
すでにスポーツの分野で議論の対象となっているのは、遺伝子的に男性である選手の性自認は女性である場合、女性の競技カテゴリーで出るのか、男性で出るのかというところにあります。日本人は性善説を持つ人が多く、日本人としての矜持なども影響するのか、自分に不利な競技カテゴリーで出場を考えるのではないでしょうか。勝てばかっこいいですよね。しかし、自分の成績を少しでも良くするために有利な競技カテゴリーで出場する人もいるようです。
今回の法律を悪用しようと思う人は、うそをついてまで自分の欲求をかなえようとしています。最近、孫(男の子)を連れて大衆浴場に行ったのですが、小学生になったら男湯に入らなければならないという規則があるようでした。何歳から自分の性と同じ湯に入るべきか判断は難しいかもしれませんが、ある人が的確な答えを教えてくれました。
それは…
「女湯に入りたくなったらダメだ」
受精した卵子は最初、男女両方の形質を持っていますが、Y染色体を持つ受精卵は、受精後8週頃より男性ホルモンであるテストステロンの大量分泌をはじめます。身体の男性化はここで決まるようです。20週以降に再度アンドロゲンシャワーを浴び、脳の男性化が起こるそうで、男女の心と体は、別のタイミングで性の分化が起きるようです。別のタイミングだからこそ、心と体の性別が異なることもあるのでしょう。
https://medicalnote.jp/contents/151005-000008-QOHTPA
LGBTのうち、L:レズビアン、G:ゲイ、B:バイセクシャルは、性ホルモン分泌異常によるたまたま起こった病気というよりは、自分の趣味も入るように思えます。T:トランスジェンダーのみが、上記のいわゆる病気の状態であると考えられます。
この法案の第二条(定義)では、この法律において「性的指向」とは、恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向をいう。と書かれています。これって恋愛感情や性的感情について書かれていて、そうであるなら相手との合意って大切です。お互いが同意した恋愛感情であれば、私は祝福してあげたいと思います。経済学の有名人、見えざる手という名言を残したケインズも若い時にはゲイであったと言われています。
アメリカでは、LOVEという言葉を日常に使って、愛情表現をしています。皆さんもキリスト教的な結婚式で聞いたことがあるセリフですが、「夫○○は●●を妻とし、愛することを誓いますか」といいます。私はこの質問に返事をすることは恥ずかしいのですが、これを日本人的な言い方にするのであれば、「愛」は「善」という言葉に置き換えたほうがいいように感じます。「夫○○は●●を妻とし、善なる生活を送りますか。」と聞かれたら、私は恥ずかしく感じることなく、「ハイ!」と言えます。二人の関係において相手にとって善であることなら、どんな性自認であっても問題とはならないでしょう。自分の欲求のためだけに行動している場合、それは善ではありません。
最近のニュースを見ていると、女性に対して性的指向がある男性が、性的自認が女性であると言いさえすれば、女性限定のトイレや浴場に入れると思い込んでいるようです。実際に2022年1月6日に大阪で女装した男性女性トイレに侵入し、書類送検され「性自認は女性」と説明した事件が発生しています。これは法案が施行される前の事件であったことから女装男性に厳しい対応をされました。
2023年6月10日に、小田急線駅構内の女子トイレに、女装した男性が入って行くのを目撃した女性が、どうするべきかツイッターで人々の意見を仰いだ後、12日に小田急の駅員に伝えたところ、「LGBTのことがあるので、“自称女性の男性”が女子トイレに入るのを止めることは出来ない」と回答されたことを明かしています。
これは筋力や体力的に弱い立場の女性を守るための場所の区別であって、そのような場所に筋力が男性である自称女性を入れることは、危険であることはもちろん、女性の権利を踏みにじる行為です。また、この行動が自分の欲求なのか、性的自認による行動なのかが第三者からは解りません。結果として、女性への危害や温浴施設や更衣室などの女性専用であるべきスペースの安全が事実上なくなってしまうことから、女性の権利を奪ってしまうことになります。
そして今まで社会がそっと見守っていた性的マイノリティへの視線に、自称女性である男性ではないかと警戒が入ることとなり、本当の意味での性自認や性指向によって悩んでいる方々にとっては、この法律が成立したことによって世間からの警戒を伴った視線を浴び、逆に生きづらい世の中になるのではないかと危惧してしまいます。支援者たちは性的マイノリティの方々の自殺率が高いことから法案の成立を急いだと言っていましたが、これから自殺率の推移を見てそれが減少すればいいのですが、増加もしくは変化が無かったのであれば、女性専用スペースに男性が入るリスクを大きくしたデメリットしか残らないのではないでしょうか。
「秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず」という言葉を世阿弥は「風姿花伝」で残しています。これは自分の真の心のうちや能力を秘めるからこそ花になり、何でもかんでもオープンにして明らかにしては、花の価値は失せてしまうという意味です。自分の心のうちも含めて、美しいものを大切にしまっておくことは、その人の暮らしを豊かなものにしてくれるはずです。
この法案では、性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重され不当な差別されない権利を守ろうとしています。それは差別されない権利であって、弱い立場の女性や子供たちに自分の主義や主張を押し付けようとするものであってはならないと思います。だからそのような教育は子供たちに必要ではないし、特殊な性的指向を理解しなくても、寛容な日本人はそのような人たちを差別しないでしょう。
寿晃整骨院 総院長 木下広志