急に思い立って、今話題のトップガンを見に行きました。ネットで調べると開始時間は夜8時20分、思い立ったのは、8時15分でした。イオンに到着して映画館まで15分、広告が10分あるのでギリギリ間に合うと判断して行ってきました。ネットでのチケット発売は締め切られていて、窓口で購入し、入場したときに予定通り本編が始まりました。
最初に感想を言うと、最高でした!
この映画の元となった「TOP GUN」が公開されたのは、36年前の1986年です。その当時、大阪の整骨院で修行をしていて、一緒に修行していたI先輩と見に行ったんだと思います。その頃の日本はバブル前夜の好景気に沸いていましたが、私は免許取り立てで、徒弟制度の残る厳しい整骨院だったので給料は激安で、朝8時から夜10時まで働いても月に一桁万円の給料しか貰えませんでした。
I先輩とは、映画の最初のシーンにある戦闘機発着の手信号を何度も何度も笑いながら真似した覚えがあります。しばらくの間、整骨院での仕事中のサインにも使っていて、今回のトップガン マーヴェリックの最初のシーンにも同じような手信号が出てきたので、それだけで厳しかった当時を思い出して感傷に浸ってしまいました。
さて、この映画では、前作からの伏線が多く描かれています。ここからはネタバレするかもしれませんので、これから本作を見ようと思っている方はご注意ください。
前作で作戦中に亡くなった同僚の息子ルースターが、今回のミッションに選ばれ参加しています。同僚の死は、トム・クルーズ演じるマーヴェリックに大きな心の傷を残し、恐らく昇進を拒んだ理由もそこにあるのではないかと感じます。しかし、彼の戦闘機操縦の技術は素晴らしく、新しいトップガン集団の教官として任命されます。そのあたりの任命のプロセスも前作をオマージュしていて、上官に呼ばれて叱責されるのかと思っていると、実は非常に重要なミッションを任されるのです。
マーヴェリックは、自分のチームの誰も死なせたくないために、厳しい操縦が必要なコースを選び、訓練を重ねます。それでも予測できない事態が発生し、結果として命が危ぶまれる事態が発生し、マーヴェリックは自分を犠牲にして、元同僚の息子を助けます。そして自分の命に危険が迫った時に、ルースターに助けられることになります。これを契機にお互いの誤解が解け、本当の親子のような関係となれたような気がしました。
この男の友情を見て、私は大阪時代のI先輩との生活を思い出し、映画の感動以上の感動をすることができました。
しかし、トム・クルーズは、36年前と変わらず、アクション俳優であり、演技をこなしています。今でも最高に魅力的で、映像も素晴らしくて自分が戦闘機に乗っているような感覚がありました。
敵国の設定が中国を想定したいけれども、ハリウッド映画は中国での収益を得るために気を使っていて、北朝鮮っぽい設定にしているけれども北朝鮮に第5世代の最新鋭戦闘機はあるわけがないし、イランとも考えられるけど、砂漠に山はあるのかといろいろ考えてしまいました。今回の敵国のマークは日本航空のマークにも似ているし、前作のように露骨にロシアを敵国としていないのは、ウクライナ侵攻で悪役となっている今であれば状況は違うのかなど、時代と技術とによって考えることは変わります。
前作の後、トム・クルーズは、この映画の続編製作の権利を買っていたそうです。その後、前作監督のトニー・スコットが自殺をしてしまい、長い時間をかけてこの続編のためのスタッフを集めていったらしいです。2019年にはこの映画は完成していたそうなのですが、コロナのために映画館での公開ができず、ここまで待ったという思いの詰まった映画です。
アイスマン役のヴァル・キルマーは、肺がんで声を失った司令官役で出演していますが、本当に咽頭がんで声を失っていたそうで、そのあたりも無理をして出演したと考えて感動してしまいました。
映画としての出来は最高の娯楽映画となっています。かなりネタバレしましたが、もしまだ見ていない方は、ぜひ映画館で見ていただくことをお勧めします。
寿晃整骨院 総院長 木下広志