今期は「社会学」という講義を履修しています。

今期は大学院で「社会学」という講義を履修しています。社会学は、社会を研究する学問です。社会ってとてもテーマが広そうですが、広いです。人と人の関係によって作り出されるのが社会なので、情報社会、組織社会、村社会、日本社会、SNS社会などなど、何でもテーマとなるのですが、後で書いている男女共同参画社会も社会学のテーマとしてとても深く研究されています。

やっていることは、身の回りで起こっている当たり前のことをアンケートやインタビューなどの調査を基に研究します。4週間に一度、自分の興味あるテーマを選んで発表します。先週は私の当番で、「近代医療と「補完代替医療」の距離 ―石垣島で勤務する医師のインタビューを通じて―」というレポートを基に発表しました。

沖縄県には、ユタと呼ばれる祈祷師のような方がおられます。地域の住民の方々は、病気をするとほとんどが医師にかかるのですが、中には治りにくかったり、原因がわからなかったりする病気があり、そんな時にユタに相談するそうです。そんな患者さんの行動を医師の方はどのように対応するのかをインタビュー調査を基にレポートが書かれています。

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/67878/

まさに私が研究しようとしている、柔道整復師や鍼灸師と医師との医療連携のヒントになるのではないかと考えこのレポートを選びました。このレポートの中で、医師は「西洋医学で育てられてきて、現実的にはそこにいく手段がない」という語り、近代医療の教育を受けた医療者と「補完代替医療」の専門家たちとの間では、双方の専門性を共有する方法が存在していない可能性があると書かれています。

柔道整復師や鍼灸師は、患者さんのお話をしっかりと聞き、徒手検査などを通して、情報をまとめ、自分たちの業務範囲で無いのであれば、すぐに医師に紹介することが大切で、その時には紹介状を書いて患者さんの情報が、医師が短時間で理解できるようにしなければなりません。それによって医師も私たちのことを知ってくれるようになるのです。

紹介状を通して医師は、柔道整復師や鍼灸師の力量を理解し、どのようなことが患者さんに起こっていて、どのような処置をしたのかを書いた返信をいただいて、私たちはさらに学ぶことができます。このやり取りによって、患者さんは治療機会を失わず適切な治療を受けることができ、医師は素早く患者さんの状態を理解でき、柔道整復師や鍼灸師も知識や経験値を上げることができるため、三者がWin-Winの関係です。

寿晃整骨院は、倉敷市に三院、総社市に一院、合計四院あります。毎年100名を超える患者さんを医療機関に紹介しています。それぞれの担当者が紹介状を書けるように各院長が指導しています。患者さんにご迷惑をかけることの無いよう、これから学びを続けます。

さて、話は社会学のほうへ強引に引き戻しますが、明日の社会学の講義では中国人留学生の学生が、女性が活躍する職場というテーマで発表します。

ジェンダーギャップについて、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が作成した「ジェンダーギャップ指数」の最新データが公表されました。「ジェンダーギャップ指数」によれば日本の男女不平等ランキングは156カ国中120位で、日本のすぐ下は内戦で国民同士が殺しあっているシオラレオネという国となっています。

私は大きな違和感を覚えて、日本にはそんなに問題となる性差別があるのかを調べました。

「ジェンダーギャップ指数」は「経済」「教育」「政治参加」といった分野での男女格差を指数化したもので、大臣や大きな会社の役員の男女比などから順位が決まります。ジェンダーギャップがこれほど差別的な国であれば、女性の幸福度は相当に低いと予想されます。日本の女性ってそんなに不幸なのでしょうか。皆さんはいかがですか。

しかし、話題にこそなりませんでしたが、同じころに幸福度のランキングも発表されました。2019年の調査では、日本女性の91.5%が幸せだと回答しており、男性は84.2%で女性の幸福度のほうが男性より高いことがわかりました。

日本において女性の幸福度が男性より上なのは、1981年ごろから変わらず続いており、その差はフィンランドに次いで第2位です。ジェンダーギャップが大きく女性の幸福度が高い国である日本は、統計上、飛び離れたところに存在しています。逆にアイスランドのジェンダーギャップは世界最小ですが、男性の幸福度がかなり高くなっています。

日本における男性の幸福度の低さは結婚率の低下にあると言われています。「女ヤモメに花が咲き、男ヤモメに蛆が湧く」などといいますが、女性はご主人が亡くなっても、もちろんその時には悲しみますが、その後、元気になって人生を楽しむことができる女性が多いのです。

しかし、男性は奥さんが亡くなると一気に元気がなくなって早死するといわれ、立ち直れない男性を多く知っています。家事をしてこなかった男性は、一気に栄養状態や運動不足になって健康を害してしまいます。同様に、結婚しない独身女性は全く問題なく暮らすことができますが、独身男性は人生に楽しみを見つけられないのかもしれません。

日本では30代~40代の未婚男性の幸福度の低さが大きく影響しているようです。年齢別の感情がネガティブな人の割合は、30代~40代が多く、未婚であれば幸福度は低くなる傾向にあります (未来を夢見る10-20代と高齢者は幸福度が高い) 。日本の30-40代男性に何らかのテコ入れが必要だと感じます。

私の感覚では、大臣になりたいとか会社の役員になりたいと望む女性は、それほど多くないように思います。幸福度が高いことと仕事で社会に認められることには違いがあるようです。もちろんそれを望む女性であれば、評価すべきであると思うし、高市早苗さんが総理大臣になる日を楽しみにしています。

参考webサイト

https://president.jp/articles/-/44903?page=1

https://president.jp/articles/-/47667

https://toyokeizai.net/articles/-/455386