大学院での学びについて(人生を幸せにする黄金律:Golden Rule)

大学院の講義が始まりました.受講している科目名は,医事・薬事法,疫学入門,医療ビジネスマネジメント,医療研究概論,臨床死生学などとなります.科目名だけを見ていると医学部のようですが,私の学んでいるヘルスシステム統合科学コースは,工学部・医学・薬学・文学・法学・経済といった学部から集合しているので,それぞれが学びたい内容をチョイスすることになります.

 

近年,進歩しているダビンチのような手術機械,部材,IT技術や薬剤を工学部的な視点から研究することや,医学を倫理や宗教・哲学・法学的な視点から見つめなおすことが期待されているようです.

 

昨日の医療研究概論の講義では,医学部の教授が最新の医学情報と共に半分の時間は,論語の話をしてくださいました.医学を志す者だけでなく,社会で生きるためには「恕」の心を持たなければならないとおっしゃっておられました.

 

「恕」って何?って私は思いました.論語の中で孔子が次のように弟子に説明しています.

 

子貢問うて曰わく、一言にして以て終身これを行うべき者ありや。子曰わく、其れ恕(じょ)か。己の欲せざる所、人に施すこと勿(な)かれ。

 

現代語では,以下のようになります.

子貢が問いました.「一生守り続けるべき、そんな言葉がありますか?」
孔子は、「それは思いやりだ.自分がして欲しくない嫌な事を他人にしてはいけない。」と答えた。

 

これはキリスト教だけでなく,ヒンドゥー教,ユダヤ教,イスラム教の教えにもあるようです.以下の文章はWikipediaからコピペしました.

 

イエス・キリスト:人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい(『マタイによる福音書』7章12節,『ルカによる福音書』6章31節)

 

ユダヤ教:あなたにとって好ましくないことをあなたの隣人に対してするな。(ダビデの末裔を称したファリサイ派のラビ、ヒルレルの言葉)、自分が嫌なことは、ほかのだれにもしてはならない(『トビト記』4章15節)

 

ヒンドゥー教:人が他人からしてもらいたくないと思ういかなることも他人にしてはいけない(『マハーバーラタ』5:15:17)

 

イスラム教:自分が人から危害を受けたくなければ、誰にも危害を加えないことである。(ムハンマドの遺言)

 

ある時,腰が痛い患者さんが来院された際に,手の爪にひょう疽がありました.爪の付け根が細菌感染を起こしている状態ですが,既に整形外科にて治療を開始しておられました.私はその方が少しでも良くなることを期待して,糸状灸というとても小さなお灸をしました.

 

これは京都府立医大でも採用されている治療法で,化膿が治る速度が飛躍的に増すと聞いていました.(とその時に聞いていたのですが,調べてみたら事実の確認ができませんでした.今の私の知識ならきちんと確認するか,この情報は伝えなかったと思います.また,巻き爪が原因であればその処置を同時にしていったと考えます.)

 

その後の整形外科の診察を受けたときにその患者さんはとっても怒られたそうです.お灸の跡が少しだけ残っていたのです.申し訳ないことをしたと反省しました.その整形外科医の先生は,知っている方だったのですぐに謝りに行きました.

 

かなり先生は怒っておられ,「あなたは家族がひょう疽だった時に,お灸をするのか」といわれました.私の返事はもちろん「YES」です.その後,先生は「私の患者には二度としないでください」といわれ,私はその診療所を後にしました.この先生も自分の患者さんに責任を持って良くしようと考えておられるのがよくわかります.私はその後も良好な関係を続けているつもりで,先日も患者さんを紹介させていただきました.

 

私がここまで生きてきて,いろいろな事がスムーズに進んだことを思い返してみると,人の身体が良くなることをうれしく思い,楽しく感じてきたことにあると考えます.母が施術する小さな鍼灸院で育った私は,超能力を得ることができれば人の体を簡単に治すことができるのに思っていました.子供のころからスーパーマンになりたかったのだと思います.

 

「人生の成功」と書くことは憚られますが,私は家族にも恵まれ,ここまでとてもいい人生を送ってくることができました.「なぜ成功できたのですか?」と聞かれれば,人に良くなってもらいたいと考えてきたからだと思います.この黄金律に沿った行動をとってきたからです.

 

もし,人生を成功させたいと思われる方は,この黄金律を守ってみてください.間違いなく幸せになれると思います.

 

岡山大学がコロナ対策の動画を作成しました.

拡散してくださいと先生がおっしゃっていたのでここにアップします.