面白い英語のトピックから オバマ元大統領と鳩山元首相

 

先日、オバマ元大統領による回顧録が出版されたそうです。この本に鳩山元首相が、迷走した日本政治の象徴などと評した総理大臣であったと書かれていたという報道がありました。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4129945.html

 

 

 

「ぎこちなかった」という日本語のもとになった英単語は、「awkward」です。手元にあるCASIOの電子辞書のジーニアス英和大辞典によると、「awkward」は14世紀の古ノルド語に初めて記録が残っており、[afugr](道を間違えた)や[awk](…から離れる)+[ward](の方向に)という語源からきているようです。

 

 

 

ジーニアス英和大辞典による「awkward」の日本語訳は、

(人が)不器用な、ぎこちない、へたな、ぶざまなという意味となっており、

 

 

それ以外にも、

 

 

(人が)〔人の前で〕落ち着かない、どぎまぎした、気まずい

(立場・問題などが)やっかいな、やりにくい、困った、扱いにくい、警戒を要する、少し危険な、きわどい

 

 

といったネガティブなキーワードが列挙されています。

 

 

中には、

 

 

いやに思う、…に気が進まない、つむじ曲がりの、ひねくれたといった意味もあるようです。

 

 

 

 

同様に、Oxford Dictionary of Englishという英英辞典によると、(翻訳サイト(DeepL)による翻訳)

1 causing difficulty; hard to do or deal with: (困難を引き起こす;困難なことをしたり、対処したりすることができない)

deliberately unreasonable or un cooperative:(意図的に理不尽なことをしたり、協力的ではない)

2 causing or feeling uneasy embarrassment or inconvenience:(不安な恥ずかしさや不便さを引き起こしたり、感じたりする)

3 not smooth or graceful; ungainly:(滑らかではない、優雅ではない;気力がない)

uncomfortable or abnormal:(違和感がある、異常なこと)

となります。

 

 

 

しかしながら、本当の意味は、今回の文章の前後を相当に読み込んでいく必要があると考えます。

なんせハーバード大学を卒業されたオバマ元大統領の英語の使い方、特に講演のうまさには定評がありますので…

 

 

この本に書かれた原文はnippon.comのサイトによると以下のようになっています。

In his book, Obama said, “A pleasant if awkward fellow, Hatoyama was Japan’s fourth prime minister in less than three years and the second since I’d taken office–a symptom of the sclerotic, aimless politics that had plagued Japan for much of the decade”.

https://www.nippon.com/en/news/yjj2020111700728/obama-recalls-ex-japan-pm-hatoyama-as-pleasant-if-awkward.html

 

 

 

友人のニュージーランド人おすすめの翻訳サイト(DeepL)で、いう翻訳サイトで単純に翻訳してみると次のように翻訳されます。

https:// www.deepl.com/

オバマ氏は著書の中で次のように述べている。「気さくではあるが気難しい人物である鳩山氏は、3年足らずで日本で4人目の首相となり、私が就任してからは2人目であったが、この10年間の大半を日本を悩ませてきた硬化性で無目的な政治の症状であった」

 

 

 

私の拙い翻訳では、次のようになります。

「問題を起こすが、感じの良い人物である鳩山は、このたった3年間で4人目の総理大臣であり、私が就任してから2人目の総理大臣だ。(度々、総理大臣が変わることは) 頭が固く目的のない不幸の政治が占めていた日本の10年間の特徴でもあった。」

 

 

 

 

オバマ元大統領が就任していたのは、2009年1月から2017年1月なので、この期間の日本の総理大臣は、

最初の8カ月は自民党政権の麻生さんで

2009年9月から7カ月間、鳩山さん

2010年6月から15カ月間、菅さん

2011年9月から15カ月間、野田さんとなっています。

 

 

オバマさんの言う「たった3年間」は、

安倍さん(2006年9月-2007年9月)

福田さん(2007年9月-2008年9月)

麻生さん(2008年9月-2009年9月)

から鳩山さんの時期です。

 

 

 

 

その後、第2次安倍政権以降の安倍総理は総理就任期間を7年と267日と戦後最長にして政権を安定させたので、オバマさんの言う無目的な政治というならば、第1次安倍内閣を含む、小泉元総理(2001年4月-2006年9月)あたりから民主党政権までの10年間が、その期間になると私は感じます。民主党のオバマさんは、共和党の大統領(2001-2009)ジョージ・W・ブッシュさんと小泉さんとの協調は評価できないでしょうから。

 

 

そして、小泉さんが自分自身の居場所である自民党をぶっ潰し、混乱した隙をついて民主党政権が誕生したこの時期をオバマさんは混乱した無目的な政治の時期と評価していると私は考えます。

 

 

高橋洋一氏は小泉改革で変わったのは道路公団の民営化と郵政の民営化だけだとおっしゃっています。小泉改革といわれ、竹中さんが批判される派遣法改正は、以前から議論になっていて世界標準がそうなっているために企業の競争に必要で小泉さんの仕事ではない。

 

 

その後、格差社会となったのは、社会が高齢化したためで、高齢化すれば格差は自然に広がるため仕方がないと言っておられます。高橋氏は同窓会に行けばわかると判りやすく説明されています。つまり、高校や大学を卒業した後の初任給には大きな差は無いが、定年前後で同窓会に行けば、所得や資産に大きな差がついていることがわかる。高齢化が進むとその比率が高まるためデータ上の格差が起こると言っています。

 

 

 

 

 

 

 

私はオバマケアについて勉強しようとしているので、オバマさんのことは大好きです。私の地元、倉敷市長の伊藤かおりさんは、ハーバード大学の同窓生なので同時期に在学しており、オバマさんをしょっちゅう見ていたと思いますが、どんな感じだったのでしょうね。ちなみに伊藤さんは、アジア人(女性?) で初の首席だったと聞いています。

 

 

 

 

さあ、悩ましい[awkward]の日本語訳ですが、古代ノルド語の語源通り、「道を間違えた」のは普天間の対応を見ていても明らかな気がします。