寿晃整骨院では、毎月、5つある整骨院の院長たちとミーティングを開きます。各院の状況を数字で確認し、問題となっている事項に合わせて患者さんの満足度を上げるための方法について話し合います。
総社本院では、施術スタッフの指名を受け入れているため、待ち時間の問題が発生しました。指名をした患者さんにとっては、待ち時間が発生することもやむを得ないのですが、指名をしていない患者さんまでお待ちいただく状況になっていました。そこでその指名を受けた施術スタッフのみ予約制を取り入れて、指名をしていない患者さんについては、別の担当が責任をもって施術にあたらせていただくように区別して施術するようにしました。これにより、以前よりスムーズに、患者さんにとって不利益とならないスタイルを作ることができました。
また、9月には浜ノ茶屋本院に腕が上がらないという訴えの患者さんが来院されました。検査してみると握力も肩の挙上も異常がない患者さんの症状でしたが、天野院長は慎重に判断し脳血管障害を疑い、連携している病院に紹介状を書きました。その患者さんには、頸動脈に血栓の原因となっている異常が発見され、手術となりました。血栓はどこに飛ぶか分からず危険な状態でした。院長会議では血栓の症状と見抜いた理由や医療機関からの返信など、症例検討もミーティングの必須事項です。
10月には腕に力が入らない患者さんが来院され、これは上腕の筋肉や肩の筋力に異常がないことと麻痺の部位から、土曜夜麻痺(Saturday night palsy)と判断し患者さんに説明をしました。これは眠りが深い方(酔っぱらったか、無呼吸症候群など)が、上腕の骨にある橈骨神経の通り道を圧迫したまま寝てしまい、橈骨神経という手首や指を伸ばす筋肉に限定して麻痺が起こる症状です。(電車で窓にもたれて寝てしまった方が多いと感じています。)
開業から30年近くが経過し、患者さんに信頼していただいているからこそ、このような症状で来院されるのですが、緊張感をもって施術にあたらなければ間違いのもととなってしまいます。以前と違う症状の訴えがあれば、時間はかかっても、理学的検査と問診をしっかりと行っていく意識を持つことをスタッフに共有しています。
思い込みが一番の敵です。寿晃整骨院のスタッフは、常に自分を客観視できるように意識しています。また、自分たちの力だけで解決しようとしておりません。現代の医療は領域が広く、急性期から、慢性期、リハビリテーションなどチーム医療が徹底されています。私たちも医療チームの一員として自分の得意領域を大切にして、他の医療サービスが必要であれば、積極的に紹介しています。浜ノ茶屋本院だけで、1年間に100名を超える患者さんを医療機関に紹介しており、その中には手術になる方もおられます。
整骨院での施術で完了する方がほとんどですが、スタッフたちは常に自分たちが慢心することなく、研鑽を進めています。
先日の院長会議では、総院長の木下が大学に行っているため、仕事で負担をかけてしまい申し訳ないと話をしました。彼らは「一番年寄りの私が今もなお、輝いている。」とほめてくれました。そして「総院長ほど、人生を楽しんでいる人はいない。自分たちもそうなりたい。」と言ってくれました。私は涙が出るほどうれしかったです。
ハーバード大学の研究によると、ある条件下では年を取るほど脳が活性化するそうです。認知力を測る6種のテスト中4種で、高齢者の成績は20代よりも良かったそうです。記憶力と認知のスピードには加齢に伴う低下が見られるそうですが、言語力、空間推論力、単純計算力と抽象的推論力は向上していたという結果だそうです。これは機能が落ちる脳細胞を他の脳細胞が助けることによって起こるとされていて、生活面で脳を助けるには、健康的な食生活、運動、様々な活動による脳への刺激、そして積極的な社会参加が挙げられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5809b97cd3406a359c0aa146dc5895acaa17008d?page=1
この記事から、様々な注意力や判断力は年を取ってからのほうが上がるのだそうで、政治家などはそういった理由から、ある程度高齢者のほうがいいとのことでした。
そして、近年特に注目されてきたのは瞑想の効果だそうです。どんな状態であれば脳が活性化するのか。それは瞑想をすることだそうです。座禅もとてもいいのでしょうね。私もこれから落ち着いた時間を瞑想に充てるほうがいいのかもしれません。妄想は得意なのですが…
スタッフが頑張ってくれるおかげで、せっかく作ることができた時間を無駄にすることがないように、瞑想も取り入れながら、脳にいい生活をして、自分のやりたい研究を進めていきたいと思います。