プラスチックによる海洋汚染が問題になっています。日本は四方を海に囲まれ海岸に行けば、ペットボトルを中心にたくさんのプラスチック廃棄物が落ちているのを見ます。もちろん、倒木などの木材も多くあるのですが、これらはあくまで浮力の高いゴミが見えるだけであって、沈降性のごみは目に触れることはありません。
目に見えないプラスチックの問題として、マイクロプラスチックという小さなプラスチックが魚の体内や北極や南極の海においても認められるようになりました。
以前に私はこの問題をブログに書いたことがあります。
https://www.jukou3.com/2016/02/14/592/
では、日本人はどのくらいのプラスチックごみを海に捨てているのでしょう。私たちはこのプラスチックごみを減らすために、不便性を受け入れて、レジ袋を有料化してごみを減らそうとしています。
環境省が発表したデータによると、日本はどのくらいのプラスチックごみを海に放出しているかがわかります。日本は世界で30位となっており年間2~6万tのプラスチックを海に流しているそうです。では、1位はどこの国でしょう。そう、当然ですが、人口の多い中国が一番で、年間中国132~353万tものごみを海に排出しているのです。順位は次のようになっています。
https://www.env.go.jp/water/marirne_litter/conf/02_02doukou.pdf
日本の海洋ごみ排出量に占めるレジ袋が含まれるポリ袋の排出は、重量でたったの0.4%で、ペットボトルが約7%と圧倒的です。本気でプラスチックごみを減らそうと思うとレジ袋よりもペットボトルだと思われます。さらに排出量の50%を占める漁具のほうが、影響は大きいようです。
正直なところ、中国の1/50以下のごみの量しかない日本で、その量のたった0.4%しかない排出量のレジ袋を有料化する理由はあまりありません。
では、なぜレジ袋を対象にしたのか。それはエコバッグなどの代替手段が容易で、販売店としてもコストを下げることができ、新素材として生分解性プラスチックという新しい産業を生む可能性があるからです。
そして、国民に環境にはお金がかかることを理解してもらい、炭素税やプラスチック使用を名目として環境省の財源として環境税というシステムを作るためではないかと思っています。
レジ袋が海に流れ出るとウミガメがクラゲと間違えて食べて死んでしまうと言われていますが、実際には同じプラスチックの定置網の漁網で死ぬほうが多いそうです。海の環境への影響は漁師さんが強い力を持っているように思います。
北欧では、栽培漁業がサーモンをはじめとして成り立っています。良い環境を作ることが、自分の子供や孫世代を豊かにすると考えて、我々は行動しなければならない時代が来ているようです。
寿晃整骨院 総院長 木下広志