昨日は岡山県だけではなく全国的な整形外科の組織でご高名な2人の整形外科医とお話しすることができました。
整形外科と整骨院は患者さんの層が似ているので競合すると考えられています。そして整形外科医はある意味、商売敵である柔道整復師を快く思っておられないことが多いのです。私は競合していないと考えており、さらに整骨院と連携していただくことで整形外科と整骨院の相乗効果によって患者さんの満足度が上がると考えています。
私は、整骨院を開業する前に4年間、兵庫県明石市の整形外科にて研修させていただき、その先生の偉大さに触れ、すべての整形外科医を私の師匠だと思い接しているつもりです。
医師の養成には長い勉強の期間と努力が必要で整形外科医を含む医師の養成は6年の学校と2年の臨床研修が義務づけられており、さらに整形外科や心臓外科などの専門医であるためには、一定以上の学会への参加や研修などの単位が必要となります。それに比較して我々柔道整復師は勉強不足です。整形外科医には養成後にも研修しなければならない仕組みがあります。
柔道整復師は、たった3年の専門学校での勉強で開業できてしまうので、国家資格取得後、特に研修もせず開業してしまう人もおり玉石混淆ともいえます。資格を持っているからと技術が保証されるわけではありません。日本において整体やカイロプラクティックという名前の施術は、資格もいらずもっと簡単に開業できます。まったく勉強せずに始める人もいますが、中には素晴らしい治療家もいて私たちは、彼らに負けないように勉強し続けなければなりません。
ホリエモンはすし屋さんの職人にとって長い下積み修行は店主に労働力を搾取されているだけなので寿司の専門学校に行ってさっさと店を開店すべきと言い切りました。このやり方で成功してミシュランに載ったすし屋さんも現実にあり、正直なところ、コミュニケーション能力や情報収集できるアンテナがどれだけあるかも才能の一部であり、商売として成功する力であると感じます。http://netgeek.biz/archives/70031
さて、最初の話に戻しますが、整形外科医は我々柔道整復師に対して次のようなことを考えているそうです。
1、痛みなど病的な苦痛やケガに対して健康保険が使えるのに、本来は許されないマッサージなどの慰安目的で使っているではないか
2、柔道整復師には、レントゲンやMRIなどの診断装置はないし、そもそも診断することはできない。患者の健康被害が起こったらどうするのか
3、交通事故に特化している整骨院について聞いているが、そのようなお金もうけに走ってモラルはどうなっているのか。
4、卒後研修制度は機能しているのか
といった内容でした。すべてが整形外科医のおっしゃる通りだと思いました。我々は勉強が足らないし、社会保障制度の一部が利用できるのも社会からの信頼があってこそで、この信頼が揺らいでしまってために、整骨院で健康保険を使えない事態を招いても自業自得です。
なぜ、私がこのような時間を作っていただいたかというと、整形外科医の考え方を聞くことで自分たちが今後どうあるべきなのかを知る為です。そして今後のテーマとして健康保険制度のデータを分析することで柔道整復師が社会の役に立っていることを証明したいがためなのです。私自身は柔道整復師も鍼灸師も患者さんの苦痛を取り、スポーツに復帰することを少しでも早めたりすることで社会に貢献していると思います。いろいろなデータをもとに分析する力を得るために岡山大学で勉強をしているところです。
私にこのような貴重な時間をいただき、整形外科医の先生には本当に感謝しています。そしてこのような勉強するための時間を私にくれている、寿晃整骨院のスタッフにも感謝しています。よく患者さんに「何のために勉強しているの」と聞かれますが、このようなことを考えているのです。
私は、柔道整復師や鍼灸師の施術の価値を十分評価していてデータに基づいたものにして何かの機会に発表したいと思います。それが私の役割だと思うのです。