昨日今日と大阪でセミナーがありました。
100名くらいが参加するセミナーですが、
おそらく半分はドクターで
半分が鍼灸師・理学療法士といった
コメディカルの人たちでしょうか
とても勉強になるセミナーで、
今回は下肢の障害を中心に講演が
ありました。
国立病院機構奈良医療センターのドクターからは、
膝疾患の発痛源評価と治療的診断について
帝京大学医学部付属病院のドクターからは、
足関節疾患で同様の講演でした
今までにもブログにて書いたことがあるのですが、
ドクターの講演ではその診断したり、
治療を選択した理由、根拠がかなり詳細に
発表されます。
超音波上の画像診断であったり、
MRIだったりしますので納得できるのです。
近年、超音波診断装置の精度が上がり
軟部組織を見る上でレントゲンやCT、MRIでは
見ることができない部分(軟部組織の動き)が見えるように
なってきました。
しかも
X線のように人体に影響を与える電磁波も照射されない。
装置自体がだんだんと安くなってきているようです。
これによって、骨折はもちろんですが、
アキレス腱や筋肉組織が動きとともに
見ることができます。
今回興味深かったのは、組織の癒着です。
アキレス腱が切れた場合でいえば、
今までだとスポーツ復帰のためには手術することが
当たり前であったと思いますが、
手術後にアキレス腱が周りの組織と癒着を起こし、
アキレス腱炎が発生したり
手術は成功しているものの機能的には、
問題が発生して痛みが取れない例が報告されました。
その痛み自体は短期間動かさないことで
良くなったのですが、
手術後の癒着は剥離できていないので
またいつか痛みが発生する可能性があります。
アキレス腱が切れていることは明らかで
トンプソンテストというアキレス腱断裂を診断するテストが陽性でも、
超音波で見てみると、腱の連続性が何とか保たれていたり、
その症例を保存的に治療して好成績であり、
しかも周りに癒着を残さなかったというお話でした。
これは超音波の動きを見ることができる特性が
生かされた治療法だと思います。
ただし、先生は、エビデンスといって医療の定則からは外れており、
おすすめできる方法ではなく、
ミスが起こらないかとても怖かったとおっしゃっていました。
しかしこれも患者さんを思えばこその治療方針であり、
私にはとても好感が持てました。
もう一人のドクターは、膝について講演をしてくれました。
変形性膝関節症の話を中心に同治療を組み立てていくかを
お話になりました。
とてもひどい変形があっても、ブロック注射で痛みを抑えて
日常生活の機能をあげていくとおっしゃっていました。
また、筋肉や脂肪体などの膜にある痛みを抑えておかないと
手術後に痛みが取れなかったりした例も報告され、
膝に水があることが痛みの原因となっていないとも
おっしゃっていました。
鍼灸師の役割についても理解していただいており、
地域の鍼灸師・柔道整復師は幸せだと思いました。
私も倉敷ではドクターに一番紹介している
鍼灸師・柔道整復師だと思います。
自分で解決できない症例は、患者さんと相談の上、
医療機関に紹介させていただいています。
今年も浜の茶屋本院だけで100症例は超えていると思います。
これからも患者さんに最適は治療を選択するために
研鑽していこうと思います。
私も専門学校は、講演などで人前で話すことが多いのですが、
根拠をもって話をしなければ誤った情報を人に与えてしまう。
リスクを与えてしまうことを思い知りました。
なのでこれからは、冗談でもウソをついたときには、
「うっそでーす」というようにします。
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